マザーリング・くらぶの活動報告を掲載しています。
活動報告
平成21年1月29日 健康科学館にてアフリカ英語圏保健医療研修を一日担当しました!
アフリカ英語圏保健医療研修を一日担当しました!
去る平成21年1月29日健康科学館にて10時から17時まで行いました。
この研修は開発途上国の様々な課題解決を後押しする政府開発援助の事業の一つで、本邦で行う研修です。
研修員はアフリカ英語圏9カ国〔エジプト、ガーナ、ケニヤ、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ、スーダン、タンザニア、ジンバブエ〕の23歳から44歳の保健医療職の青年18名でした。
プログラム
1.広島の母子保健の課題と助産師の役割
2.パパママセミナーAより模擬講義
3.お昼休憩
4.家庭分娩
5.性教育
6.フリートーク
研修員達の緊張がほぐれたのは胎児モデルを使用して分娩のしくみを説明し始めた時、「そうだ、そうだ」と言わんばかりのリアクション。
やはりお産は世界共通なのだという思いがこちらにも湧いてきました。
続いての模擬お産では腰を振りながら過ごす産婦と一緒に腰を振り、躍りださんばかりの若い研修員も。
さすがのリズム感!「お尻を押さえていたら中からボッコボッコと頭が触れるようになりますよ!」との林助産師の説明にあちこちで「ボッコボッコ」という声が!
日本で覚えた日本語の一つになったようです。
お産のシーンではやはり大歓声があがりました。
通訳の方からお聞きしたところ今回の研修員さんの中には3人から4人のお子さんをお持ちの方が多いそうです。
「赤ちゃんが泣かなかったらどうするのか?」などと具体的な質問が矢継ぎ早に飛んできました。
午後からは前原助産師による家庭分娩の紹介に入りました。
私たち日本の家庭分娩の実施率とは比べ物にならないくらい高い率〔40~70%〕で実施されていると聞き、まずこちらがびっくり。
しかし日本の家庭の中での出産の様子には興味深々な様子でした。
実際に使用する物品も全て展示し手に取り見てもらいました。
最後に私たちの行う性教育を教材紹介という形で説明しました。
妊娠の成り立ちや胎児の様子、出産の不思議など助産師ならではの内容を紹介したところ、研修員の一人から「なぜ女性のことばかり説明するのか?男性のことは教育しないのか?」という質問が飛んできました。
「女性の事は女性だけが知っていればいいのではない。パートナーである男性にこそ理解してもらいたい。そのためにこのような内容にしている。」と説明する一幕も。
フリートークでは円陣になって座り、日本の印象や今日の研修の中で印象に残った事などを話してもらいました。
またこちらからも各国の女性の結婚年齢など質問したところ、最後になってやっと各国の実態が見えてきました。
ナイジェリアでは女性は自然にお産するものであり、夫は介入しないこと。
さらに第一子が女児であると非難されるとのこと。
他の国でも共通しているのは女性には教育の機会が与えられず10代での結婚が多いこと。
性教育は無くむしろタブー視されていること。
しかし、今日の研修で男性がお産に参加することで絆を強くすると思ったこと。
ナイジェリアの31歳男性医師〔母子保健政策担当〕は女性のことをもっと理解し、大切にしたいと語りました。
最後に私たちからのお土産として研修中の写真と中岡助産師手作りのお箸セットをお渡しすると、研修員さんたちから感謝のメッセージと本場ガーナのチョコレートのプレゼントが。
サプライズ!
そして集合写真を撮り、長い一日が終わりました。